一日目

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一日目

今日も雨だ ここ数日もう少しで夏休みだというのに連日雨が続いている でもどちらかというと、雨の方が好きかもしれない 雨の落ちた音、雨が乾いたコンクリートの匂い色々と思い出す ぽけーと薄暗い外を眺めていると、六限目が終わる音がした 今日もあまりノートを書かず授業も聞いていなかった ついつい外を眺めてしまう なんでこんな私はだめだめなんだ、と思ってしまうが帰宅の高揚感ですぐに忘れてしまう ため息交じりに席を立とうとすると隣から自分を呼ぶ声が聞こえた 「ことね~カラオケ行かない?」 「ん~ごめんパス、今日少し眠いんだよね」 「おっけ~」 本当に眠い、今日は帰って寝よう 別に仲悪い人がいるわけでもないしカラオケが嫌いなわけでもない ただ今日は本当に眠くなってきた いつも通りあそこによって帰ろう 平日いつものルーティンまずはコンビニに行く 猫が大好きなおやつを買う、飲み物を買う これで完了。 公園近くのベンチまで歩いていく、そこにはなぜか猫が住んでいる 雨の日もいい具合に草の木陰で雨宿りしている いつも見かけるからついつい餌をあげてしまう でも、今日は少し違った 雨の中遠くで地面に自分の傘を置く姿が見えた そのままその人は歩き去っていった ただ多分あの人は、同じクラスのやばいやつ空だ。 悪い噂が絶えなさ過ぎて毎日話を聞く 彼女を妊娠させたとか、中学の時いじめてたとか悪い噂が絶えない 傘に近寄ってみると連日の雨が原因で雨宿りの場所なくなっていて 少し猫が雨に濡れていた そんな人が猫に傘とかありえないと思っていたが 近付いて傘を見てみると傘の持つところに丁寧な字で「日向 空」と書いてあった。 一旦空の傘をたたみ、自分の予備の折り畳み傘を猫に貸してあげた 空が歩いて行った方向を見てみたが空はもう視界から消えていた 猫に餌をあげながらこの傘明日どう渡そうと考えていたが中々案が浮かばず 沈んだ気持ちで帰ることにした。 家に帰るころには雨が本降りになっていて、猫大丈夫かなと思いつつ 目を閉じた
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