三日目

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三日目

最近はずっと雨だ。 もう少しで夏休みだというのに 今年の夏は雨の方が多いらしい 今日もいつものルーティーン通りコンビニに行った後 猫のもとへ向かった。 「昨日行くの忘れてたからな、大丈夫かな」 そして近付くにつれ人影が見えた。 見覚えのある影だ 木で少し雨宿りしているように見えた 「そ、空君だ・・・・・ん?え!?」 よく見てみると空はタバコを吸っていた。 その瞬間琴音は走り出していた。 体が濡れたのなんて気にしなかった。 「あの!空君!猫の前でタバコ吸わないでよ!!!」 空は琴音の声に体をびくっと震わしポケット灰皿を取り出しタバコの火を消した 「ごめん、考えてなかった」 少し強く言い過ぎたかもと不安になったが空は案外素直に従ってくれた 空の体を見てみるとところどころ濡れてるのが分かった 「傘、どうしたの?体濡れてるよ」 「多分取られた」 空君の傘取る人なんて・・存在するんだ・・ 少し驚きながらも言葉をつづけた 「傘貸そうか?」 そういって猫のために置いていた、折り畳み傘を手に取った 空は猫を指さしながら話した 「いや、いいよ濡れるだろ猫」 折り畳み傘が置いてあった場所では猫缶を食べている、猫君の姿があった 折り畳み傘を猫の所へ戻し、次は自分の傘も貸そうとした 「私の傘つかう?私家ここから近いし、そんな濡れないよ」 「俺も近いから大丈夫」 空はその直後走り去ってしまった。 雨は今日も止まることを知らなかった
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