四日目

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「何であんな悪い噂流れてたの?」 少しの間沈黙が流れ、二人の周りには小さな雨の音だけが響き渡った そして空が歩くのをやめた、それに合わせるように琴音も歩を止めた 「中学生の時さこんなんじゃなかったんだよ」 空は中学の時のことを話し始めた 中学生の時の俺は仲がいい友達もたくさんいた ある日事件が起きた。 俺の友達、柏(かしわ)はクラスのリーダー的女子、花巻(はなまき)のことが好きだった でも花巻は俺のことが好きだったんだ。 卒業式の日花巻は俺に告白をしてきた、花巻は絶対に付き合えると自信があった。 友達にも空と付き合うと宣言していたし、両思いだとも宣言していたらしい それでも俺は花巻とは付き合わなかった。 花巻は俺には眩しすぎた、性格的にもあわないと思っていた そして花巻の告白を拒否した後、柏からは 「お前最低だな」と一言来ていて中学の人たちとはそれ以来連絡が取れていない 入学したとき周りから色々な噂を聞き「あぁ、あいつらが流したんだな」と思って 否定もしなかったし、肯定もしなかった もう人間関係がめんどくさくなった。 「ごめんね、いきなり聞いて」 「いや、大丈夫だよ」 二人はほぼ同時に歩き始めた、そして琴音は 「琴音君さ、明日空いてる?」 「空いてるけど・・・どうしたの?」 「あの・・さ、よかったらなんだけど、明日一緒に話さない?」 「え?いいよ全然」 「え?本当!?」 「本当に大丈夫だよ」 空の満面の笑顔が光る、初めて見る笑顔だった 不覚にも少しドキッとしてしまった 「それじゃあ、学校終わったら明日猫の所に集合ね!」 「わかったよ」 「それじゃ、私こっちだから帰るね」 琴音は空に手を振り別れを告げる 「ばいばい!」
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