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「お!雨降ってなーい!」
「そうだな、なぜか今日の夜だけ晴れてるな」
琴音が突然「あっ」と声を上げた
「空・・・花火大会まであと十分です・・・・はぁあああしるぞおおお」
「ちょはやい!」
琴音は笑いながら走り始めた
空は琴音のすぐ後ろにいるようにスピードを調整した
空は琴音に向けて話した
「このペースでいくとあと何分でつく??」
「ぎりぎりだと思う!」
息を切らしながら二人で花火大会を目指した
「あと・・・少し」
信号待ちをしながら琴音はちらちらスマホを確認していた
琴音は青になったのを気づかずにいたので空が「青だよ」と声をかけた
琴音はスマホをポケットにしまい走り出し
信号を渡り切った
直後だった、琴音は段差に引っ掛かってしまった
「あぶなっ!」
空は瞬時に転びかけていた琴音の左手をつかんだ
「あ・・ありがとう」
暗くてよかった・・・たぶん私の顔今めっちゃ赤い
そう思ったのもつかの間大きな音が聞こえた
二人は大きな音を聞こえたほうに顔を向けると大量に光る花火が打ちあがっていた
「早く行こう!」
空は琴音の手をつないだまま走り出した
「もうここでいいかな、人少ないし」
そこは丁度人が数人いる程度の河川敷だった
二人はそこで花火を見ることにした
手をつないだまま二人は花火に見入っていた
普通の花火 ハートの花火 いろいろな形の花火を見ていた
少し間が空いて、花火の勢いが増した
一面青色の花火が打ちあがったと思ったら、真ん中に向日葵の形をしたオレンジ色の花火が打ちあがり、まるで
夜空に咲いた一輪の太陽だった。
花火はそれで終了した
それと同時に二人は握っていた手を離した
「じゃあ・・・帰るか」
「そだね」
最後は何も話さず無言の中夜の暗がりを歩いている
いつもの猫の所に着いた
まだ手の中には空の温かさが残っていた
大きな音を聞いた反動かいつもより静かな世界の中で
「ばいばい」
と空の声が響き、琴音はそれに何も返せなく
空の背中を見送るだけだった
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