◇ふたりで食事?!◇

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……… まるで時間に合わせて 現れたみたい… 高千穂課長は やはり不思議な人だ… 「お疲れ様です。 出張だったんですか?」 「うん、そう。 ちょっと取引先の方へ行っていたんだ。 約束の時間に間に合わないかと思ったよ。」 と高千穂課長 いえいえ、数秒違うかもしれないけど ピッタリ現れましたよ。 「ピッタリでしたよ。」 「うん。…じゃあ、行こうか? 今日行く所、北口にあるんだ。」 「そうなんですか?」 私たちは並んで歩き出した 週末だからか 駅周りは人が多い。 南口から北口まで歩いた 「実はね、その店 僕の友人がやってるんだ。」 「そうなんですか?」 「うん、八月一日(ほずみ)さんも 気に入ってくれたら良いけど。」 歩くこと5分… 高千穂課長の友人が営んでるお店は 隠れ家的な店構えだった 白いビルにツタがビッシリと 絡まっていてレトロな感じがした 中に入ると 外観とは違い 今風だった… そして、店内は静かだ まだ時間的に早いのかな? 「いらっしゃいませ。」と店員が現れた 「予約している、高千穂です。」 「あ、いつもご贔屓にしてくださり ありがとうございます。 店長、後で呼んできますね。」 そう言って、私たちが案内された所は 4人がけの個室だった。 「ありがとう。 飲み物だけ先に頼むよ。 八月一日さんは 何が良いかな? どうぞ。」 高千穂課長から メニューを渡された 「ありがとうございます。」 私は受け取りメニューを開いた 実を言うと アルコールは得意ではない…私 ソフトドリンクの中から選ぶ 「グレープフルーツジュースで お願いします。」 「僕はいつもので。」 いつものって何だろう? 店員は 「グレープフルーツジュースと いつものですね?」 高千穂課長の ドリンクの名前は言ってくれず 部屋から出て行った… 運ばれてきたら 分かるだろうから 私はあえて聞かなかった… ………
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