◇ふたりで食事?!◇

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……… 男性にしては あまりにも綺麗な食べ方だから 見惚れてしまったと言っても良い… よく見ると箸の持ち方が正しかった 「ん?どうした?」 高千穂課長と目が合ってしまう… 「えっ…あのぅ…綺麗な食べ方するなと 思いまして…」 クスッと笑い 「母親が煩かったんだよ。 子供の頃、箸の持ち方が悪くてね。 …厳しかったおかげかな。」 子供の頃の高千穂課長は 素直にお母さんの言うことを 聞いたんだな… 私はダメだったな… 「そうでしたか… 私は今でも 箸の持ち方ダメです。」 「ふーん…そうなのか? 正しく持つには、 箸一本を正しく持つことからだよ。」 そう言って高千穂課長は私に見本を見せる 「親指と人差し指、中指を使い、鉛筆にぎりで持てるように練習するのが良い。」 私も高千穂課長の真似してみる 「鉛筆にぎりができるようになったら、 グーをしている指の間から、 もう一本の箸を親指の付け根から 下へ向けて親指と中指の間に差し込むんだ。」 高千穂課長の言う通りにしてみる 「正しい持ち方ができるようになったら、 下の箸は動かさずに上の箸を 上下に動かすんだ。 親指を支点にして、 人差し指と中指で数字の1を書く要領で、 箸先が上下するように動かします。 二本持って動かすのが難しい場合は、 上の一本だけでやるのが良いよ。」 やってみるけど なかなか難しい… 大人になっても直せるのか? 「うん…練習すると 出来るようになるよ? 今すぐじゃなくても大丈夫。 僕は輪ゴムを付けて 練習してたな…」 懐かしそうに遠くを見て話す 高千穂課長。 「私…頑張ってみます。」 「うん、今からでも出来るよ。 最初は違和感あるけどね?」 私はこの日から 箸の正しい持ち方を練習することにした いつになるか分からないけど… 次の料理が運ばれて来た この料理も美味しそう… そして メインの料理が運ばれて来た時に 高千穂課長の友人も店員さんと共に 私たちの部屋に入って来た。 ………
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