◇期間限定の恋人?!◇

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◇期間限定の恋人?!◇

……… いつものように電車に乗り込むと 「おはよう…八月一日(ほずみ)さん。」 と声をかけられた うっ…そうだった 先週末… 通勤を一緒にすることになっていたんだ 何車両目の何処に乗るか 聞かれてた 「おはようございます。高千穂課長。」 この会話からだと 上司と部下だ… 会社ではあくまでも 期間限定だけど 恋人にならなくてはならない… 期間限定の恋人だとは バレずに… いたって普通に。 「早速、今夜食事どう?」 うっ… 「まだ、週の始めですよ?」 「でもね… 期間限定…で…」 「それ以上…ここでは言わないでください。」 周りに誰が居るか分からない… 私が小声で話すと 「うん。…じゃあ手短に 僕の家で食事しよう。」 えっ?いきなり? 「分かりました。連絡します… もしかしたら 残業で遅くなるかもしれないです。」 「…そう?分かったよ。」 その後はたわいもない話をしながら 電車に揺られ 駅に着くと 会社までの道のりを並んで歩いた エレベーターに乗り込むと 私たちの他に 沢山の人たちが 乗って来た 「八月一日さん…こっち。」 まさかの腰に手を回され 自分の方に引き寄せられた うっ…ち、近い。 でも… 朝はいつも沢山の人が乗って来るから これは仕方ない… 期間限定の恋人… そう…恋人なんだから 自分の心の中で言い聞かせて 少しドキドキしながら 私たちのオフィスに着くまで ジッとしていた 高千穂課長の息が 私の髪にかかり 更にドキドキしてしまう… 早く着いてと思いながら… …1週間、続けることが 可能なのかと思ってしまう。 ………
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