◇期間限定の恋人?!◇

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……… 私を見ると 安心した表情になった 高千穂課長 「お疲れ様です…」 私が言うと 「…良かった。 八月一日(ほずみ)さんが 帰ってしまっていたらと思って 少し走ったよ。」 何でそんなことを高千穂課長が 思ったのか分からないけど おでこに薄っすらと汗をかいていた 「ちゃんと約束したじゃないですか? だから待ち合わせ場所へ向かってたんです。」 「そうだよな? ごめん…変なことを言って。 昔、待ち合わせで苦い思い出が あったから…」 そうか…私の知らない過去に 何かあったから そんなことを言ったんだ? 「いえ、大丈夫です。」私は答えた 「そう?…それじゃあ、行こうか?」 高千穂課長が先に歩きだし 私はその後をついて歩いた 電車に揺られ 私が住むひとつ先の駅で降りた 駅から徒歩10分だと高千穂課長が言った 高千穂課長が住んでるところは どんな所だろう? 高級マンションかな? 私は勝手な想像をしていた 駅から10分歩くと 高いビルは殆どなくなり 住宅街へと変わって行った 着いた所は 立派な門構えのお家だった 表札に高千穂と書いてある… えっ?想像と違うけど 高千穂課長らしい家だなと思った 門を潜り 玄関までくると 鍵を出して開けた 外灯がついていない もしかしてひとり暮らし? 扉をゆっくりと開くと 「どうぞ。」と言われ 私は「お邪魔します。」と言って 中に入った 中はシンっと静まり返っている 玄関の電気をつけると パァっと部屋の中が明るくなった… 玄関を上がり 高千穂課長の後について行くと 風情のある部屋だった 建物自体は少し古いけれど 部屋の中はとても綺麗で 掃除も行き届いてる感じ… 「荷物はそこに置いて 適当に寛いでいて。」と言われたので 「私もお手伝いします。」と言った キッチンと言うより 昔ながらの台所… そこも整理整頓されていた 「あのぅ…」 私は遠慮がちに高千穂課長に聞いてみた ………
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