◇期間限定の恋人?!◇

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……… 「両親とも共働きでね… 夜遅かったりして 寂しいこともあったけど、 両親の為に何か出来ることは 無いかと考えたのが料理でね 遅く帰って来る 両親の為に 学校の家庭科で 習った料理や 教科書に載ってた料理 図書館に行っても 料理の本ばかり見てた 周りの同年代の 子供とは違ってたんだろうな。 ひとりで何か作るのが 好きだったから 図工でも何でも 恥ずかしながら 子供の頃は ちゃんとした友達が居なかったけど、 何か作ることは好きだったから 今でもその延長なんだと思う。」 懐かしそうに 話す高千穂課長の姿を見て どんな子供だったんだろうと 想像してみた 幼い高千穂課長が キッチンに立ち 一生懸命料理を作る姿が ぼんやりと見えるような気がした 「ご両親、喜んでくれたんじゃないですか?」 私が言うと 高千穂課長は クシャッと笑顔になり 「まぁね?喜んでくれたよ。 美味しいって言ってくれてね。 本当は美味しくなかった時も あったかもしれないけど、 残さず食べてくれて、 食べ終えた後に ありがとうと言って貰えるのが 子供ながら嬉しかったよ。 次も頑張ろうってね。 今思えば、両親の作戦だったのかもな。 たまに母が作る 料理も美味しくてね。 色々教わったな。」 普通なら いや私なら子供の時に 料理なんて作らない たまに母の手伝いをするくらいだった 高千穂課長の ご両親は子育て上手だったのかもしれない それが今の高千穂課長に 繋がってるんだな…と思った 新たな一面を知り 高千穂課長のことを もっと知りたくなった… ………
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