◇期間限定の恋人?!◇

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……… 私がキッチンに入ると 高千穂課長が気がついた 「あれ? 八月一日(ほずみ)さん、どうしたの?」 「やはり…私も手伝います。 今日…料理を高千穂課長と一緒にしてみて 楽しかったので。」 「おっ、そうなんだ? じゃあ…どうしようかな。 八月一日さんには 何を手伝ってもらおう… あ、そこの棚のカップ持って来てくれる? 青と白のカップ。」 「はい。」 返事をして 私は棚からついになってる カップを取り出そうとしたら 何故か何もないところで躓きそうなり バランスを崩した 「危ない!」 そう言って、高千穂課長は 倒れそうな私を背後から抱きしめてくれた シンと静まり返ってる中で 心臓の音がバクバクしていた このバクバクは どっちなのだろう? 倒れそうになって 驚いたからなのか? それとも高千穂課長が 私を抱きしめたからなのか? 暫くそのままで居ると 「…大丈夫?」 高千穂課長は 私から静かに離れて聞いてきた 「は…はい。大丈夫です。 迷惑かけて、ごめんなさい。」 「そう、怪我とか無ければ良いけど…」 そう言って、私の代わりに カップをとってトレイに乗せた ティーパックを カップに入れお湯を注いだ 結局、手伝いに来たのに 迷惑かけただけだった テーブルに行き ふたりでお菓子をいただきながら 紅茶を飲んだ 何だか躓いたことが 恥ずかしくて どう話して良いのか分からず 私は 「このお菓子、美味しいですね?」 と言ってしまった すると 「それは良かった。 僕ひとりじゃ食べ切らないから 好きなだけ持って帰って良いよ?」と… 「あ、別に欲しいわけじゃなくて…」 「ん?それは分かってるけど、 折角だから、持って帰って?」 高千穂課長は 立ち上がると 小さな紙袋を持って来た 「八月一日さん、 これに好きなの入れて?」 何だか悪いなと思いながら 紙袋を受け取り 「ありがとうございます。」と言って 私はお菓子を詰め込んだ… 長居するつもりはなかったのに 良い時間になっていた… 「今日はありがとうございました。 そろそろ、私、帰ります。」 席から立ち上がり カップを下げようとしたら 「待って?送るから。」と言われた 「えっ?大丈夫ですよ? 隣の駅ですから…」 「車あるから、 女性を夜道を歩かせるわけには 行かないよ。」 何て優しい人なんだろう… 今まで付き合ってきた人とは 違いすぎる… 私はちゃっかりとお言葉に甘えた。 ………
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