◇期間限定の恋人?!◇

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……… 高千穂課長が車を駐車場から出し 助手席側の窓がゆっくりと開いて 「どうぞ乗ってください。」と言われた 車に乗ると 車内はとても綺麗 車に乗る前にも 夜でもピカピカと光ってる車体を見て 大切に乗ってるんだなって思った 車の型は少し古いけど 高千穂課長は気に入ったものは 壊れるまで乗っていそうだ これは私の勝手な想像だけど… 「シートベルト締めてください。」と言われ 「はい。」 締めようとしたら シートベルトが出せない 私が何度も出そうとしてるのに気がつき 「どうしました?」 自分のシートベルトをはずし 私に近づいて 「ちょっと失礼しますよ?」と言って シートベルトを締めた か…顔が近すぎる それなのに高千穂課長は 普通に締めて 私からゆっくりと離れた 私だけひとりでドキドキして 馬鹿みたいだ… 「じゃあ…出発しますよ?」 「はい。お願いします。」 私が答えると 高千穂課長はゆっくりと 車を走らせた 私たちの間には まだ壁がある様だ… 高千穂課長と壁もなく 普通に話せる時は来るのだろうか 車窓から見える 夜の景色を眺めながら 私は思った… …… … 「…さん?八月一日(ほずみ)さん? 着きましたよ。」 気がつくと目の前に 高千穂課長の顔が… えっ?私…眠ってたの? 「す、すみません。 私、寝ちゃってましたね。」 慌ててシートベルトをはずし 「送っていただき、 ありがとうございます!! 痛たっ…」 「…痛たっ。」 高千穂課長と私の頭がぶつかった… 「ごめんなさい!!」 私が謝ると 「大丈夫?」と高千穂課長 「私は…この通り石頭なので… それより高千穂課長は?」 高千穂課長はクスッと笑い 「僕も石頭だから…」 プッ… 思わず…私も笑うと 高千穂課長も笑い出した… もしかして 少しだけ…距離が縮んだかな? ………
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