◇期間限定の恋人?!◇

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……… ちょっとしたことで 私たちの距離が縮んだなら 嬉しい… 「ありがとうございます。 また会社で…」 「うん…また会社で。」 扉を開けようとしたら ほんの一瞬 空気が変わった気がした そして… 「八月一日(ほずみ)さん?」 と名前を呼ばれたかと思ったら ほんのちょっぴり 高千穂課長の唇が私の右頬に触れ 「おやすみ…」と言った ドキッとした 不意打ちのキス 唇でなく 頬にだけど 少し驚いた でも…何だか新鮮で嫌じゃなかった 扉を開け 車から降りて 「おやすみなさい。」と言い 扉を閉めた クラクションを軽く鳴らし 高千穂課長の車はゆっくりと 走り出した 見えなくなるまで見送り 私は部屋に入った 何だか右頬だけが熱い気がした キスの所為? うん…多分そう 会社で次に会ったら ちゃんと高千穂課長のこと 真っ直ぐ見れるか… 期間限定だけど… 私の心は高千穂課長に傾いていた その日の夜は 何だか直ぐに眠れなかった すっかり梁井くんのことは 私の頭の中には 居なかった… …… … 次の日の朝 梁井くんに声をかけられて 夢心地だったのに 現実に引き戻された 「八月一日さん!おはよう。」 エレベーターに乗ろうと 順番待ちして歩き出したら 声を掛けられた うっ… 「梁井くん…おはよう。」 周りも居るので 小さな声で言うと 「もしかして…俺のこと 嫌い?」って言われた …えっ? ストレートすぎる梁井くん 「そんなことないよ。」 即答した 怪しまれないように ちゃんと言えたと思う 仕事しに来てるんだから 仕事モードに切り替えないと 恋愛しに仕事してるんじゃないんだから… 私…これから大丈夫かな? やはり高千穂課長に 話しておいた方が 良さそうな気がした ………
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