◇初めてのデート◇

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◇初めてのデート◇

……… 「いや…それほど 待ってないよ? 10分くらいかな。」と 言いながら高千穂課長は 小説をトートバッグに入れた そう言えば… 高千穂課長のスーツ以外を 見るのは初めてだ… 新鮮かも?! 頭のてっぺんから下まで見てから 「そうでしたか?」と答えた私 「じゃあ…行こうか? ここからだと30分だな。」 高千穂課長と私は歩き出し ホームへと向かった 休日のホームは平日の朝ほどでは 無いけれど ある程度混雑していた… 電車の中は 更に混んでいた 高千穂課長に手を掴まれて 私たちは 車両の中奥へと進んだ… 「大丈夫?」小声で高千穂課長に聞かれ 「大丈夫です。」と答えた 「嫌じゃ無ければ このまま手を繋いでおくけど?」 ドキッとしたけれど つり革を掴める距離じゃ無い… 「お願いします。」 こんな言い方で良いのか 分からないけれど 私は空いてくるまで 高千穂課長と手を繋いぐことになった 意識すると 繋いだ手がドキドキしてきて 汗ばんでないか気になって 繋いでる右手に意識がいってしまう… 何か別なことをしないと 意識しすぎてしまう 高千穂課長と会話をしなきゃ 「あの…私服素敵ですね?」と 唐突に話を始めてしまった…私 「えっ?コレ? 実はね…この前、買いに行ったんだ。」 「!!」 嘘?!高千穂課長も? 「どうかした?」 私が返事がしないのを 不思議に思ったのか 高千穂課長が聞いて来た 「…フフッ。 実は私も今日の為に 買っちゃいました。」と答えると 高千穂課長も照れながら笑った… そこから緊張がほぐれていき 小声ながらも高千穂課長と会話をした。 ………
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