◇初めてのデート◇

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……… まさか今日の為に お互い 服を購入していたなんて 笑ってしまう… 目的の駅までは 電車で1本で行けてしまう 今日は何処へ行くのかは 高千穂課長から聞いてない 駅だけは教えてもらってるのだけど… 目的地の駅に着いた そこで降りる人は 比較的少ない 私たちはホームへ降り ゆっくりと改札へと向かう 「…高千穂課長?」 「ん?八月一日(ほずみ)さん… そろそろ課長は 辞めて欲しいかな…」 「!!」そうだよね これはあくまでデートなんだから 「ごめんなさい… えっと…下の名前って 聞いてなかった気がするんですけど…」 「まぁ…会社では必要ないからね… 大河(たいが)って言うんだ。 僕も八月一日さんではなく 名前で呼んでも良い?」 恥ずかしい…恥ずかしいけど 今日はデート…心の中で言い聞かせ 「はい。名前でお願いします。」 「(はる)さん?」 「は…はい!」 「もしかして、照れてる?」 「照れますよ…流石に 名前呼びされると たか…あ!違う… 大河さんは?」 「僕だって…ちょっと照れるよ。」 そう言って照れて自分の頭を触ってる 高千穂課長が可愛く見えた 何だか擽ったいけど 今は会社ではなく 外だし 知ってる人も周りには居ない… 最初は慣れないけど 時間が経てば… 照れはなくなるはず… 改札口を出て 私たちが向かった先は… ◯◯◯◯展と言う 大きな看板が入り口に飾ってあった どうやら絵画展らしい 「友達からチケットを貰ってね…」 そう言って 白い封筒の中から チケットを取り出し 私に渡しながら…大河さんは言った 「ありがとうございます。 絵画展なんて久しぶりなので 楽しみです。」 私が言うと 「そう? それは良かった… 実を言うとちょっと不安だった。 だから敢えて何処へ行くか 教えなかったんだよ。 華さんが嫌だったら… 予定を変更して映画でも 良いかなって思ってね。」 なんて謙虚な人なんでしょう?! 今まで付き合った… 沢山付き合ってきたわけじゃないけど 私が付き合った中では 大河さんがダントツ良い人だ… 良い人過ぎて…こんな私で 申し訳ない気がしてしまった。 ………
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