◇初めてのデート◇

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……… 私たちは 絵画展を見るため 美術館の中へと入った 現代画家の絵画作品が多く展示されていた 静かにその絵画を鑑賞する 私自身…ど素人なので知識は無く 鑑賞好きな人に比べたら そこから色んなイメージしていくまでは 行かないけど… 絵を見ること自体は好きだ 見ていると その絵に吸い込まれていきそうになる 不思議だ… 一瞬…隣に大河さんが居ることすら 忘れそうになる それくらい夢中にはなれる ふと…我に返り 隣で絵画を真剣に見てる 大河さんの横顔を見ると 目を細めながら 微笑んでる 大河さんはきっと 絵画を見ることが好きなんだろう また…仕事場では 見ることの出来ない表情を見ることが 出来たことは 私にとって貴重だ… 順路通りに見ていたら 隣に大河さんが居ないことに気がつく… 私…ペース早すぎた? 館内を見渡してみると あ!大河さん居た 大河さんもキョロキョロしている 多分…私のことを探してるんだ ここでは鑑賞客も居るから 大きな声は出せない 私は見失わないように 静かに近づくと その私に気がついた大河さんが ホッとした顔になった 「ごめんなさい…私早すぎましたね。」 小声で言うと 「いや…僕も夢中になりすぎた…」 と困り顔の大河さん 「大河さんのペースで見てください。 もし次見失ったら… 出口の所で必ず待ってますよ。」と伝えた 「ありがとう。」と大河さんは答えた その後…私たちは お互い見失うこともなく 絵画を見終わり 美術館を後にした… 「少し遅くなったけど ランチにしよう。」 大河さんに言われて たまたま美術館の近くにあった お店に入った… 「いらっしゃいませ。」と店員に言われ 私たちは先に案内された メニューを見ながら 「そう言えば…この前の 梁井くんのことだけど…」と大河さん すっかり忘れてた…私 だって…大河さんと 一緒に過ごしてることが 何だか楽しいから… 私は大河さんの言葉に 耳を傾けた… ………
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