それでも星の光は輝き

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 人類が星の光を恐れて、シェルターの中で暮らすようになってから、もう何世紀も経つ。そんな中で星族だけは唯一、世界中のシェルターを旅してまわっていた。そのせいで星族は短命だったし、シェルターに住む人には星族をさげすむ者も多かった。  今年もまた、星族が来る季節になった。僕は父の命令で、星族が使う仮設住宅を作る作業を見学させられていた。 「コニイ!よく見ておけよ。お前はこのシェルターをまとめる立場になるのだから」  父は第21シェルターの長官で、その役割を僕も継ぐものだと信じていた。先祖代々、そうしてきたという理由で。僕からするとくだらないことだったけど、それでも道ですれ違う人々はみな、僕を15歳の男としてではなく、次期長官として扱った。    三年前のある時、シェルターの外へ出ようとしたことがある。今考えると無茶なことだったが、あの時は真剣だった。シェルターのゲートは南北に1か所ずつあるが、それが開くことはほとんどない。唯一開くのは星族が来るときと、星族が去るときだ。僕は星族が去るときに、星族に紛れて出ようとした。銀色の首飾りを下げた女の子に手を引かれて――。  白状すると、シェルターから出ようとしたのは、星族の女の子に一目惚れしたからだ。恋の熱にのぼせて、命を危険にさらす程度には、僕は幼かったのだ。結局、検問官に捕まってしまい、逃亡劇はあっさりと終わった。星族に紛れるには、僕はシェルター内で有名すぎた。  それ以来父はことあるごとに、シェルターの外は恐ろしい世界で、星族はけがれた一族なのだと言い聞かせた。今となっては、星の光を浴びると寿命が縮むことも、星の光を浴び続けている星族に近づくのはよくないことだということもちゃんと理解している。しかし、僕はどうしてもあの子のことを忘れることができなかった。    
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