それでも星の光は輝き

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 星族が到着した夜、僕は珍しく家族三人そろっての夕食をとっていた。 「今年の星族の中にはお前をシェルターから連れ出そうとした、あの星族の娘がいるのかしら、ブルーノ?」  母が僕の方をちらちらと伺いながら父に尋ねた。 「さあな。あんな娘のことなど知らん。それに、コニイももう忘れているだろう。蒸し返すのはよしなさい」父はぶっきらぼうに答える。  父にとがめられたことで、母は気落ちした様子だが、まだ心配そうにこちらを見ている。あの子のことを尋ねて、僕の顔を観察するつもりなのだ。  母が変な方向に話を持っていく前に、僕はすばやく食卓を離れた。  僕は自分の部屋のベットに寝転がり、あの子のことを考えた。忘れるはずもない。背は僕よりも少しだけ小さくて、茶色の髪が肩までかかっている。同い年で、透き通るような白い肌の持ち主だ。名前は、ルルウ。  三年間、ルルウはどういう風に過ごしてきたのだろうか。僕のことを覚えているのかさえの心配になってくる。三年もあればいろんなことがあったに違いない。ましてやルルウは世界中を旅していて、シェルターに閉じこもっている僕よりもいろんな経験をしているはずなのだ。  母はそうは思っていないようだが、僕もルルウもお互いのことをほとんど知らない。星族が去る三日ほど前にようやく喋れるようになっただけだった。それでも、僕が夢中になるには十分だった。  その日から、毎日ルルウのことを考えていた。どうしたらルルウにまた会えて、一緒に過ごすことができるのだろう。  両親はどちらも、ルルウのことをよく思っていない。もちろん理由は簡単でルルウが星族だからだ。だが、もし、ルルウが星族でなくれば――。  
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