それでも星の光は輝き

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 星族が来てから、街には異様な緊張感が漂っていた。昔はそうではなかったが、最近になって星族がシェルターの中にいるのをよく思っていない人たちが増えているのだ。彼らは、ここ数年の大人の死亡率の上昇が星族のせいだというのだった。僕自身は、当然、星族のことを大事に思っている。星族がいるおかげで、他のシェルターの物資が手に入るのだから。しかしその役割のせいで星族は星の光を浴び続け、寿命がたったの100年ほどしかないということを考えるとかわいそうにも思えてくる。もし僕が三年前の脱出に成功してしまっていたら、今頃星の光にむしばまれて、体がぼろぼろになっていたに違いない。考えただけでも恐ろしいことだ。    「おい、あいつ星族だぞ。きたねえ。あっちにいけよ」  子供の叫び声が聞こえる。そちらの方に目をやると、子供たちが5人ほど、遠くの人に向かって石を投げようとしていた。 「おい、やめろ」  腕をつかんで制すると、子供は僕の顔を見て、「ちっ、長官のぼんぼんかよ」といって、腕を振り払い、どこかへ逃げ出した。 「あの、ありがとう……」  そこに立っていたのは、銀の首飾りをさげた、星族の女の子――ルルウだった。
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