怒涛の日々

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お父さんは、息子たちと長く一緒に暮らせていなかったからと言って、高校時代の先輩のことを次から次へと聞いてきてくれる。 私が知っているのは、先輩が二年生になってからの二年間だけだから。 キャプテンになったあと、どんどん成長していったこととか、選手権の予選のこととか…私は質問に答え続けて、先輩のことを語り続けて…あっという間にうちまで送り返してもらった。 話べたな私だけど、お父さんがうまく合いの手を入れてくれるから、調子に乗ってしゃべり続けてしまった。 そして先輩のことなら、何時間でも語れるかもしれないと思う。 うちの前で車を止めてくれて、お礼を言いあっていたら、お母さんが出てきてくれた。 もう少しで着く…っていうタイミングで、メールを入れておいたの。 お母さんも、一度先輩のお父さんにご挨拶したいって、ずっと言ってたし。今日も送ってきてもらったんだから、いい機会だと思って。 大人の挨拶をして、『今後ともよろしく』みたいなことを言い合って。 きっとこれで、先輩の怪我関連のことは全部完全に解決、かな。 あ、あとは野田さんたちに会って、そちらも水に流してきて、完了だ。 そうか。 お母さんも大人として、そうした方がいいと思ってくれているから、私たちが九州まで行ってくることを認めてくれたのかな。 車に手を振ってから、お母さんと二人で部屋に戻った。 …今度こそ本当に、しばらく会えなくなる。 でも、きっと大丈夫。 私は、私のやるべきことを一生懸命にやればいい。 あの人は、私がそうしていることを見守ってくれる。ほめてくれる。 あの人に恥じない生き方をしたい。 私は心からそう思って、一日一日を丁寧に過ごしていった。
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