エピローグ

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結花は、頷いて全部のサポーターにコメントとサインを入れてくれた。 ちゃんと、YUKAって。 ”LOVE” とかハートマークとか書いてくれないかな…と一瞬思ったけど、言えるわけもなく、当然結花もそんなことをしてくれる性格でもなく。 いいんだ。これが俺たちだから。 部室で洗って干したりするとき、絶対裏返して自慢してやろう。 そもそも俺の記名も、女の子の筆跡だから…まさかお母さんとは思われないだろう。 あ、むしろ表に書かせればよかったかな。 大塚先生に「もういい」と言われるまでは、ちゃんと指示を守ることに決めてる。もう、周囲を悲しませることはしたくないから。 今後、全国一をかけたような勝負をすることはないだろうけど…練習試合でも無茶は絶対しない。俺の怪我と引き換えに一点を取ったって、誰も喜ばないってわかってる。 ポンと左ひざをたたいて、「またよろしくな」と声をかけた。 部室のドアを開け… 広いグランドを見渡す。 今日から…ここが俺のグランドだ。 「まだ練習開始時間じゃないですよね? ちょっと、足慣らしに走ります!」 マネさんにそう声をかけておいて、俺はストレッチをしてからグランドの外周を走り始めた。 …忙しくなるだろう。 結花に次に会えるのは…いつかな。 不安もたくさんあるけど…希望の方が大きい。 たくさんの人に助けられて、手に入れたこの場所。 俺は、一生懸命に毎日を過ごすことが恩返しだ。 新しい仲間たちのところまで、すがすがしい気持ちで走り抜けた。
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