神様ReLIFE

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神様ReLIFE

ここは天界。 雲の上に、オアシスを移植したかのような光景。 そこで一人の青年が、泉を覗き込んでいた。 「・・・ト。 エイト。 おい、大丈夫か?」 「え? あぁ、アランか。 僕は大丈夫だよ」 エイトとアラン。 どちらも天界の住人で、背中には翼が生えている。 「また彼女を見てボーっとしているな」 「うん。 何度見ても飽きないんだ」 レモネの泉には下界が映る。 膨大な時間を持て余す天使にとって、時間を潰すことのできる人気スポット。 ただ真夜中ということもあり、現在は覗き込むエイトと声をかけるアランしかいない。  どうやらエイトはのめり込み過ぎていたようだ。 「彼女のこと、そんなに好きなのか?」 「好きとかそういうのじゃない」 映っているのは人間の少女。 それも、病衣を着て入院している少女だ。 虚ろに窓の外へ目を向けて、手に顎を乗せては小さく息をつく。 あまり良好な状態には見えなかった。 「どうしてそんなに気に入っているんだ? 確かにレモネの泉は面白いが、誰か固定された一人を見ているのはお前くらいだぞ」 「・・・どうしてだろうね? 考えたこともなかった。 ただ、自然と彼女に惹かれるんだよ」 「ふーん。 そんなに彼女のことが気になるなら、神様に頼んで地上へ降りてみたらどうだ?」 「・・・それ、本気で言ってる?」 天界人にとって、神様は絶対の存在。 ただ下界との交流は、あまり推奨されていないかった。 「もちろん。 本当に降りられるかどうかは分からないけど」 「何度も言うけど、僕は“神様に願いを叶える力がある”なんて信じていないんだ」 「本当にそれ、変わっているよな。 天使の俺たちからしたら、アランは相当な変わり者だぞ?」 「うん。 僕もそう思うよ」 自分は他の天使とは違う。 それは最初から分かっていたことだ。 アランと話をしていると、他の天使に呼ばれた。 どうやら仕事をしなくてはならない時間らしい。 「行こう、エイト」 エイトは頷き、アランの後ろに続いた。 仕事は絶対にサボってはいけないのが決まりだ。 レモネの泉に、後ろ髪を引かれながら歩く。 ―――・・・僕は変わり者、か。 ―――そりゃあそうだよね。 ―――・・・だって僕、元は人間なんだもん。
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