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きっかけ
「尤も、俺は
龍也しか
興味ねぇけどな♪」
「何で、私何ですか?」
「龍也は二年の
副担だし廊下で
挨拶した程度だから
覚えて無くても
仕方ないけどさ、
龍也とは
二・三回
挨拶してるんだよ。
その時は
お互いの事は
知らなかったけどな」
「ただ、あの時
この先生
何か悩んでんのかな?
って思ったんだ。
気になるけど
そん時は名前も
二年の副担だって事も
何も知らなかったから
龍也の事が
気になりながらも
何も出来ない
自分がもどかしかったんだ」
「だから、あの日
龍也が屋上に
来た時は
運命かと思ったんだ」
全然知りませんでした。
「そんな前から
私の事
気にして
下さってたんですか?」
新入生で
二・三回しか
挨拶して居ないのに……
「一目惚れだって
言っただろ?
あの時に
龍也に恋してたんだ。
だから、屋上で
話を聞いて
岩滝にムカついた
「『たった二ヶ月の
新入生が
生意気な事言うな』って
言われても仕方ないけど
それでも
好きになった奴が
女子達の着替えを
覗く様な奴に
いびられてるって
知ったら
ほっとけないだろ!!」
「透、
ありがとうございます」
嬉しくなり
お礼を言いました。
「俺は何も
してないだろ?」
「いぇ、
校長先生に言う
きっかけを
下さいましたし、
あの日、透に
会わなければ
誰にも言えず
一人で抱え込んで
校長先生にも
言えずに
居たでしょうから」
「そのきっかけを
下さった透に
感謝してるんです」
少し、泣きそうになりました。
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