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肩に痛みが残っている。 近距離で見た君の顔も、目も、髪も、感じた体温も、覚えている。 さっきした会話も、頭にしまって、温める。 ――もっと、上手く話せたのにな。 私が痛いんだから、ぶつかった方も痛いはずなのに、いたわることも、聞くこともできなかった。 ――明日、聞いてみてもいいかもしれない。 ふとそう思う。 たった一日で、大きく近づいたのだ。 どれだけ遠い道も、最初の一歩から始まる。 ならば、後は勇気を出すだけだ。 千里の道も一歩から。 知らなければ知ればいい。話せないなら話題を探せばいい。 それに使う一歩。 大きな勇気。 それだけでいい。 それだけで、君に大きく近づけるから。 神様、私に、一歩、一歩でいい、ふみだす勇気を下さい。 そしたら その先はきっと、私は 私で 千里の道も 歩みます。
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