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——エアコンの効いた店内で、毎週たのしみにしてる少年アクションマンガの最新話を読んでから、弁当とコーラを買って、コンビニを出た。
そしたら向こうから三人の男子がやって来て、それはミヤオとガラシとペーだった。
「おー、清水じゃん。なに、メシ?」
って、メガネのミヤオが言う。
「うん」
「へえ。あ、そうだ、清水に頼もうぜ」
「えー、でも、清水ってこれからメシなんでしょ?」
ガラシが言う。
「まあ、でもいいんじゃん? すぐ終わるし」
デブのペーがガラシに言って、
「時間、だいじょうぶ?」
って、聞いてきた。
わたしはいつもの人見知りのせいで、
「ヒマだと思うわけ?」
って、冷たく言ってしまった。
そしたらペーとガラシがビビっちゃって、わたしのクラスメイトのミヤオを見た。
「どう見てもヒマだろ。手伝ってほしいことがあるんだよね」
って、わたしにビビらないミヤオが、ふつうな感じで言った。
「なにするの?」
「まあ、いいからいいから。おい、コーラ買ってこいよ。清水のぶんもな」
ミヤオに命令されたのがイヤだったみたいで、ガラシとペーは、ブーブー言いながらコンビニへ入っていった。
「で、なにするの?」
「うん、動画を撮ろうと思っててさ。カメラ回してほしいんだよね」
「わたしが?」
「うん。いいだろ、コーラおごるからさ」
「配信するわけ?」
「配信はしねえよ。撮って、観て、笑って、終わり」
正直、なんか面白そうだなって思った。
わたしは恥ずかしいの恥ずかしいから、クールなふりして目立たないようにしてるけど、この三人がやってる色んなバカみたいな遊びのことを、よく休み時間にミヤオから聞いてて、前からずっと楽しそうだなって思ってたから。
だから「うん、いいよ」って言おうとしたら、ガラシとペーがコンビニから出てきて、またいつものわたしに戻っちゃって、
「いいけど、わたしべつにヒマじゃないよ」
って、言ってしまった。
そしたら、
「だからなんなんだよ、そのウソ」
って、ミヤオが言って笑った。
わたしはウソのため息を吐いて、
「で、どこでやるの?」
って、冷たく言った。
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