逆さまコーラチャレンジ

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「逆さまコーラチャレンジ!」  ミヤオが大声で言って、ガラシにコーラを渡す。  ガラシはすぐにキャップを開けてコーラを飲みはじめた。  顔が赤くなってちょっと苦しそうだったけど、けっこう順調で、これもしかしていいタイム出るかもって思って見てたら、半分くらいまでいったところで、口からコーラがあふれ出して、そのままガラシの顔面がコーラまみれになった。  わたしはちょっとビックリして、となりのペーを見たら、笑いながらまだポテチを食べてた。  それでもがんばってコーラを飲み干したガラシは、ペットボトルを地面に捨てて、 「どうだー!」  って、叫んだ。 「いや、23秒だわ! 普通でもおそいだろ!」  って、ミヤオが笑う。  赤鬼くらい顔を真っ赤にしたガラシが、鉄棒からおりて、 「これ地獄だわー」  って言って、長いゲップをして、笑った。 「撮れてた?」  って、ミヤオが聞いてくる。 「たぶん」  って言って、録画を止めたら、みんなわたしのところまで来た。  で、みんなで確認して、三人が笑った。  でもわたしはまだ緊張してるから、うまく笑えない。 「よし、次だな」  って、ぺーが鉄棒に向かう。  そしたら、 「おい」  ってミヤオが言って、ガラシがうなずいて、ペーのために持ってたコーラを振った。 「ひひひひ」  ミヤオが声を押し殺して笑う。  そんなことして大丈夫?  ペーは体が重いみたいで鉄棒にぜんぜん足がかからなくて、こっちに気づいてない。 「じゃあ、行ってくるわ。清水、ちゃんと撮っててよ」  ガラシに言われて、またわたしは緊張して、 「早くして」  って言った。  で、ガラシは鉄棒のとこまでいって、ペーのおしりを持ち上げてぶら下がらせた。 「いいよー」  ガラシの合図で、わたしは録画ボタンを押して、手をあげた。 「逆さまコーラチャレンジ!」  ガラシが大きく言って、ペーにコーラを渡して、バレないようにちょっと離れた。  で、ペーがキャップを開けたとたんにコーラが爆発したみたいに噴き出して、 「ばはーばばばばば!」  って、ぶら下ったままコーラにおぼれた。  となりのミヤオが地面に座り込んで、お腹をかかえながら笑う。 「すげえぞ、ペー、3秒だ!」  ガラシが笑いながら、手を下にぶらんとさせたまま呆然としてるペーの体をゆすって、シャツがめくりあがって見えてるお腹がいっぱい揺れた。
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