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ファーストキス
ゴブリンの群れだ。
俺はマイケルを広範囲に設定してモードKの殺傷モードで一発ぶちかました。
メイが傷付く事なくゴブリン8匹がバタバタと倒れた。
やっぱスゲーなマイケル。
どう見てもアニメで見たようなゴブリンだ。
まさかこいつ等が宇宙線で生まれた魔獣の祖先なのか?
死体なので結構キモい。
社会の教科書にあった地獄にいる『餓鬼』みたいだ。
俺の教科書のは落書きし過ぎて鼻毛の伸びた変な絵にしちゃってわからないけどね。
「キャー!」
道の先で悲鳴が聞こえた。
戦っている感じの音も聞こえる。
飯田橋博士は『余り動かずに』と言ったが、どうやらそんなに安心出来るような場所ではないようだ。
メイと顔を見合せ、お互いに頷くと悲鳴が聞こえる方に走った。
『Pちゃん』は走るのに全くと言っていい程疲れない。
スピードももっと出せるらしいがまだ慣れていないから控えめに行こう。
勿論メイも俺の強化したスピードについて来るが、気になるからまずブラウスのボタンをとめような。
貴族が乗るような綺麗に装飾された馬車が襲われているようだ。
あれ? 平安時代なら牛車じゃなかったっけ?
数人の男達が倒れ、二人の女性が二匹のブタのような怪物に襲われている。
こいつらもアニメのオークのようだ。
ここってやっぱ平安時代の日本じゃないよね。
女性達は服が破かれ今下着を破られた所のようだ。
これはおそらくエッチな襲われ方だな。和服じゃない。結構ヤバそうだぞ。
「アレク、マイケルで」
俺はマイケルを構えると遠距離に合わせ、後ろに人がいないことを確認して一発ぶちかました。ブタ野郎の頭に穴が空いた。もう一匹もぶち抜いてやった。
マイケルは風の抵抗や距離なんかも関係なく懐中電灯で光を当てるようなものだ。
小さくファンファーレがなってレベルが上がった。
照準さえ合わせれば簡単に撃ち抜ける。
失敗が怖ければ外しても大丈夫な方で引き金を引いてからずらしてやればいいだけだ。
『ビート』4級の俺でも楽勝だぜ。
馬車まで行くと三人の男達が死んでいた。
ブタ野郎二匹は俺が撃ち抜いて殺した。
女性達はもう元の服がどんなだったのか想像するしかない程ビリビリに破かれている。
ドレスっぽい女性とメイド服っぽい女性のようだ。
耳がちょっとでかいな。
二人とも既に下着も着けておらず地面にへたり込んでいる。
失禁しているようで、地面に地図が出来ていた。
こっちにハッとして顔を向けた。
ヤバイ、今エロいとこ見ていたのバレたかな。
「あっ、助けて頂いてありがとうございました。危うくオークに犯される所でした」
俺の視線はバレなかったようだ。
やっぱそういう魔獣なのね。
「大丈夫でしたか? えーとところで、ここが何処なのか教えて貰えませんか?」
俺の唐突な逆質問に全裸女性達は顔を見合せ不思議そうな顔をしている。
二人共困った顔が可愛いが俺がちょっと言葉足らずだったようだ。
「えーと、ちょっと迷ってしまったようでして、、、」
「ここはナカーキマ村の近くで村外れの森の道です」
しかし『ナカーキマ村』とか何だよ。これぜってー日本じゃなくね?
「私達は館まで戻らなければならないのですが、従者と護衛がオーク達に殺されてしまいました。私達と一緒に館までご同行頂けませんか?」
いや、全裸の結構可愛い女性達と一緒とは嬉しい限りだが馬車が扱えないだろう。
「メイ、馬車って扱える?」
「出来るよ、でも私が馬を扱っている間に、彼女達に変な事して手を出さないでよね」
えっ! 扱えるのか! さすがロボットだ。
少しツンデレなむくれた顔がたまらない。
俺がメイを『幼馴染設定』にしたのはこんなのが見たかったからだ。
さすが俺、ツンパラメータとデレパラメータが絶妙だぜ。
俺達は馬車に乗ると女性二人は左右から全裸のまま俺にしがみついてまだ震えている。
その胸の感触を惜しみなく俺に伝えた。
この強化スーツは感触がとても良く伝わる。気持ちえ〜。
メイは少しむくれた顔をしたまま御者役を努めた。
道を真っ直ぐに行けばいいらしい。
少しして落ち着いて来たのかドレスの方は寝てしまったようだ。
それを見たメイド服は俺の耳元で小さく『ありがとうございました』と囁いた。
するとドレスからもメイからも見えないように俺にキスして来た。
舌を使った本格的なやつだ。
ちょっと窮屈な格好だがヤバイ、エロくてめちゃくちゃ気持ちえ〜。
その後俺の手のひらをたわわな胸に押し当てて静かに目を閉じた。
こっこれは! なっ生乳だ!
凄くあったけー、こっこれはひょっとして指を動かせと言う合図か?
この流れからいってそうだな? いいんだな? そうなんだな?
しかしヘタレな俺はそのまま生乳の体温と表面の柔らかさだけを指を動かさずに楽しんだ。
ここで指動かして目を開いたらどう対処するんだよ。誰か教えて欲しい。
どうやらメイの胸の柔らかさは本物とそっくりだと言うのは本当だと言う事が今はっきりしたよ。
『俺のファーストキスは、知らない時代の知らない場所で、オークに襲われていたメイド服の名前も知らない全裸の女性とだった』と言う、後で誰に話しても信じてもらえなさそうなシチュエーションだった。
ヤベッ、ちょっと鼻血出てたわ。
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