第三章 クリス もう少し余裕のあるやつ

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第三章 クリス もう少し余裕のあるやつ

「アレクくん、メイちゃん、お待たせ♪ さぁ行きましょ」 「「はい♪」」    俺達はタカサックの商店街に向かった。 「ねぇ、アレクくんとメイちゃんの関係ってどうなの? 新婚さんって言う噂があるけど、、、」  クリスさんが少しだけ不安そうな表情で聞いてきた。   「メイは俺の仲のいい相棒です」   「メイちゃん本当?」 「はい、本当ですよ。私とアレクは仲がいいですけど結婚してなんかいませんし多分結婚しないと思います」   「わーそれってすごい情報だわ。今あなた達はすごく話題になってるのよ。この前お休みに一般の人達がアレクくん達捕まえられなくてみんながすごいって。誰なのかみんな詳しく聞いて来たわ」  クリスさん、個人情報保護よろしく! 「でもこれ私だけの内緒にしちゃおうかしら。私アレクくんのお嫁さんに立候補しちゃおうっかな」 「クリスさん、マ、マジっすか?」 「だってこんなに若くてカワイイのに普通じゃ考えられない程稼ぎがいい超優良物件なのよ。今日の報酬だけでも贅沢をしなければ何十年って遊んで暮らせる位だわ」   「あははは、クリスさんすごく嬉しいですけど、稼ぎだけじゃなくて他も大切ですよね。僕達は知り合ってまだ日も浅いですから『お友達から』と言うやつで是非お願いします」 「稼ぎも大切よ。恋人からでお願いね♪」    とクリスさんは言い、俺の腕に抱きつくように程よい大きさの胸を押し付けて来た。  心臓バクバク。 「こ、恋人候補くらいで手を打ちませんか?」  さすがに『恋人』って大人の世界だからな。 「わかったわ。頑張るわね♪」  でも、『恋人』っていいなぁ。頑張っちゃうのか。    俺、異世界(こっち)に来てよかった〜。 ◇◇◇◇◇  俺達はクリスさんが『ここのお店がいい』と言う店に入った。でも水着はここにしか売ってないらしいw。 「メイちゃんが最近履いてるそれは水着っぽいけど、何か水着は持ってる?」 「いえ、持ってないです」 「じゃあ一緒に選んで試着しながらアレクくんを悩殺しちゃおう♪」  「わーい、賛成ー♪」  二人は色々な水着を選んでいるようでいくつかの水着を持って試着室に入って行った。俺にその前で待っていて欲しいと言う事らしい。  いや、こういうのって手持ち無沙汰で結構困るな。お店の人がこちらを見たので俺はコクリと会釈をした。誰か対処方法を知っていたらコメント欄で俺に教えて欲しいw。  仕方なく俺は適当にゆるそうなトランクスタイプの無難な水着を買った。 ◇◇◇◇◇ 「はーいアレクくんお待たせ♪」  ブー!  ヤバかった。めっちゃハイレグの下はまだ判るけど上はトップレスじゃんか。クリスさんの形の良い胸がものすごく印象的ではあるけどこれは結構困るな。  俺は股間を押さえながら聞いた。 「クリスさん、上はトップレスじゃないですか。まさか上が無い訳じゃないですよね」 「あら、これは無いタイプよ」 「えっ?」 「ピッピピアが出来た頃はみんなヌードだったのよ。でも施設を作った人が『水着を着けないと入っちゃダメ』って言うルールを作ったので仕方なくみんな水着を着けているのよ」  その人なんてまともな人なんだ。尊敬するぞ。 「上がある水着は無いんですか? 胸って隠れていて想像するのもなんか楽しいかなぁって」 「あるわよ。確か水着って全部その日本人が作ったのよ。少し高くなるからアレクくんの奢りなのでちょっと気を使ってみたのだけれど、、、」 「クリスさん優しい〜! 感激ですけど、支払いならドーンと俺に任せて下さい」    と、俺は片手で股間を押さえながらもう片方で胸を叩いて言った。クリスさんは俺の下半身の方を見ながら 「じゃあ選ぶのに我慢しなくて良いのね。男前ね。なんならそっちも我慢しなくていいのよ♪」  なははは。 「はい、自由に選んで下さい。こっちはまた後で相談させてもらいます」   「楽しみだわ」  ど、どっちがだ。  クリスさんは再び試着室のドアを閉めた。  異世界(こっち)の人って意外と開放的なんだな。確かに昔の日本もかなり開放的だったみたいだけど現代の日本人の感覚だとちょっとだけ調子がくるっちゃうな。  でも何事も経験だし、郷に入っては郷に従えか。 ◇◇◇◇◇  今度はメイが試着室のドアを開けた。  わー!  メイのは超マイクロビキニだ。もうなんかみんなハミ出ちゃってますけどぉ!?   「ねぇアレクぅ。これ乳○が出ちゃうのよ。こっちをしまうとこっちが出ちゃって、、、どうしましょう、困るわ。お願いだから私の右側の乳○を水着の中にしまってくれない? 私が一緒に左側をしまうから」  乳だけじゃなくて下もハミ出ちゃってるっぽいけど、メ、メイの○首を水着にしまうだって? し、仕方ないなw。これもメイの為だ。これは、し、仕方ないんだぞ俺。でへへ〜。  俺はマイクロビキニの右側のメイの乳○を押さえて水着の下にしまった。ぷにっ。同時にメイが左側の乳○をしまう。  さ、先っちょ、や、柔けー。 「やったー入ったわ♪」  と言ってメイが喜び両手を上げた瞬間、両方共ポロリした。いやいやいや、なんとなく俺にも無理だなって判ってましたけどね。 「あーあ、もう少しなんだけどなぁ」  これ下も見えちゃってるっぽいから別のがいいな。 「メイ、もう少し余裕のあるのを選ぼうよ」 「はーい」  乳○とか色々と出ちゃってるまま、メイは試着室のドアを閉めてくれた。 ◇◇◇◇◇ 「アレクくん♪ これはどうかな?」  今度はクリスさんがドアを開けた。 ホルターネックの大胆にカットされた水着だ。  あれ? これはどこかで見たことあるぞ。ああ、判った、童貞を殺すやつと似てるんだ。一応ギリだが胸も隠れていて下もかなりハイだがなんか履いている。確かにこれは悩殺されちゃうよ。 「クリスさん、めっちゃ似合ってます。これ最高にクリスさんの魅力を引き出してますよ」   「わーい、アレクくんに褒められたわ。嬉しい。じゃあ私にはこれを買って欲しいなぁ」 「解りました。これを買いましょう」 「やったー!」  クリスさんはそのまま脱ぎ始めたが、俺は試着室のドアをそっと閉めた。  いやこういう場合は恋人って目の前で脱いじゃうのが正解なのだろうか? それにしてもやっぱ大人ってすげーな。 ◇◇◇◇◇    今度はメイが試着室のドアを開けた。  シマシマのチューブトップのビキニだ。なんかグラビアに出て来そうだ。 「アレク、どうかしら?」  メイがこの前の着せ替えごっこのファッションショーの時の様ににポーズをとる。 「メイ、すごく似合ってるよ。まるでグラビア雑誌に出てる美人のお姉さんみたいだ」 「わーい、じゃあ私にはこれを買って!」   「メイも俺と一緒に働いているんだから遠慮なんていらないよ」   「やったー♪」  メイはそのまま素早く脱いでしまった。 「はい、これ」  俺は差し出された脱ぎたてのビキニを受け取ったが『早くブルマ履いてね』とドアを閉めた。  パタン。  二人共出て来て俺は会計を済ませた。結構安いんだな。さっきクリスさんが『上があると高くなる』って言ってたけど生地の代金みたいなものだろうか? ◇◇◇◇◇  俺達は店を出るとクリスさんも『お昼がまだなの』と言うのでクリスさんのオススメのお店に入った。俺達もまだです。  俺はまだ字が読めないが、描いてある絵で判った。ここはオムライス屋さんだ。  ウエイトレスさんはメイドさんスタイルだ。まさか美味しくなる『おまじない』とかはないだろうなw。  メニューにも絵が描かれていたので俺は肉が乗っかったオムライスにした。クリスさんはナスとキノコがふんだんに使われたトマトソースがたっぷりとかかっているものにしてメイはコロッケと唐揚げが乗っかり少し茶色いハヤシソースのようなオムライスを選んだ。 「この前、アレクに少しもらった唐揚げってとても美味しかったのよ」 「よかった、二人共気に入ってくれたみたいで。食の好みは私達みんな仲良く問題なさそうね」  クリスさん、俺もすごく嬉しいよ。 「じゃあ明日の事を決めましょう」    お姉さんらしく仕切ってくれるのも面倒くさがりな俺としては嬉しい。 「はい」 「時間は仕事の時と同じ位で『レオーネ』の前でいいかしら。移動手段は馬が速いと思うんだけど、二人共馬に乗れるかしら」 「時間と場所は大丈夫です。でも、、、」 「私は乗れますけど、アレクは、、、」 「すみません、俺は乗れません」  シュン。 「じゃあ二人乗りね。私に任せて。明日馬を借りておくから」 「ありがとうございます。ところで遊園地ってどんなところなんですか?」 「遊園地は色々な遊具があって乗ったりして楽しむのよ。絶叫マシーンもあるわよ」   「えっ、だってこっちって電動なんてないですよね」   「電動って言うのが何なのか判らないけど、じゃあ見てのお楽しみね♪」  正直クリスさんの水着の試着を見れただけで俺にはたまらないご褒美だったが明日のデートはすごく楽しみだ。    俺達は食事を終えて店の前で別れた。 「奢ってくれてありがと。じゃあまた明日ね。あまり遅刻しないでね〜♪」   「はい、よろしくお願いします」 ◇◇◇◇◇
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