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「あなたの常識、あなたのものさしで私を測らないで。勝手に私の気持ちまで決めつけないでよ。本当は、今喋ってる時間も追加料金が発生するんだけど、もう『彼女』としてあんたと話したくないから、おまけしておいてあげるね。さよなら」
君は僕に背を向け、走り出した。
「なんだよ、くそが!」
地面をスニーカーで蹴りつける。
「せっかく俺が彼女にしてやっても良いって言ってるのに」
人混みに紛れていく彼女の背中を睨みつけた。
「覚えてろよ」
花火はもうすぐ終わる。
僕の理想の彼女はもういない。
「また指名してやる」
独り言は、花火が爆ぜる音に紛れる。
僕の『彼女』としての君にまた会いたい。そう思った。
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