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「ちょうど君みたいな背格好で、その日の彼女も、今の君と同じようにひらひらのワンピースとサンダルだった」
僕は君を見つめる。
「好きだよ」
「ありがとう」
君は正面を向いたままだ。
僕は君の頬に顔を近づける。
君は手の平を横に突き出して、それを遮った。
「キスはだめ」
「なんで? 両思いなのに」
「規則だから。あと、両思いじゃないよ」
「じゃあ追加料金払うから。そしたら、君はまだ僕の彼女だ」
「それとこれは別なの。延長したいなら付き合うけど、キスは無理」
突然大きな音がした。
周りで見ていたカップルが歓声を上げた。
花火が打ち上げられたようだった。
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