僕の彼女(仮)

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「こんな仕事辞めて、僕の本当の彼女になってよ」 「こんな仕事?」 君はやっと僕の方を向いてくれた。その顔は花火によって様々な色に染められている。 「レンタル彼女。お金をもらって、消費されるだけって辛くない? どうせこんな仕事、若いうちしかできないんだし。だったらひとりの人に愛される人生の方が、絶対に幸せだよ。僕が君を幸せにする。約束するから、僕と付き合ってください」 君の前に手を出して、頭を下げる。 「私が好きでやっていることに、口を出してこないで」 とても冷たい声色だった。僕は驚いて顔を上げる。 君は立ち上がって、僕を見た。 まさか自分よりも小さい女に、見下ろされることになるとは思いもしなかった。
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