不可思議なお兄さん(3)

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「他にして欲しいことはある?」 他のお願いも聞いてくれるのか、と次にしてもらう事を考えれば慌ていく。 ふと慌てる間に、あること思い出した小春は確認の為に聞いてみる。 「他に・・・・・・お兄さんは恋人、居るのですか?」と。 「いないよ」 「意外、格好いいのに」 恋人さんが居ないのは安心した。 不思議なのは、こんな格好いい人がモテない訳がない。 「そうかな」 「そうですよ」 否定するお兄さんに分からせるようと自信満々に応える小春。 「小春ちゃんは恋人居るの?」 「居ませんよ。あっ! お腹は空いてませんか?」 別に恋人が欲しいとはあまり思わない。 小春の話はさておき、お兄さんにご飯を聞いてみた。 「まあ、少しだけなら・・・・・・」 お腹が空いた、と初めてお兄さんが照れながら喋った。 (可愛い〜!!) お兄さんの為ならば、張り切って簡単な物だけれどご飯を作るのだ。 お兄さんがご飯を食べている間には、お兄さんの事を少しでも知りたいと思う。 お兄さんに興味津々で、今までの恋愛話も聞いてみる。 「それからどうなったんですか?」 お兄さんによるリアルの恋愛話では、今現在瀬戸際の真っ最中だ。 お兄さんとその女性がどう危険から乗り越えたのか気になる。 「内緒」 「あっ、また内緒」 シーっと人差し指で口元に当てるお兄さん。 今までの恋愛についてさえも教えてくれない意地悪なお兄さん。
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