不可思議なお兄さん(2)

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例え見知らぬ男性でも良かった。 とある目的さえ出来れば相手は誰でも良いのだ。 たまたまこの人が私の前に現れただけ。 「お兄さん、なんて呼べばいい?」 「お兄さんでいいよ、他は内緒」 「内緒はずるい〜」 人間が相手に求める感情である愛情が欲しい。 たったそれだけの為に家へと招き入れた。 小春は、制服を着ているのに学校とは真逆な方向へとお兄さんと歩いていく。 自宅に着くと鍵を開けて先に入る小春。 「お邪魔します」 「ど、どうぞ」 「本当に誰もいないんだね。本当にいいの? お邪魔して」 キョロキョロと玄関先から見渡すお兄さん。 異性を自宅に招き入れたのは初めて緊張する。 「大丈夫です」 母親が思うような良い子から悪い子に変化していく小春。 無断で学校をサボったり、見知らぬ男性を家に招き入れたりと。 いけない子だ。
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