507号室

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 ハンマーを放り出し、ただの肉の塊になった友人を引き摺っていく。  奥の部屋に黒々と蟠ったものの上に放り出すと、由美理は部屋を出た。  スニーカーを部屋に蹴り入れて、鍵を掛ける。 「……馬鹿ね。だから、早く通報しなさいって、言ったのに」  苦く呟いて、眉を顰める。  新築のマンション。 すごくお金がかかったのよ。 会社の生死がかかってる。 おかしな噂は困るの。  ――でも緑子になら、一部屋だけ貸しててあげる。  永久に。  少しの間の静寂。  去っていく靴音。  由美理は振り返らなかった。
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