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「お前たちはわしの技法をすべて大過なく学んだ。よって、わしがお前らに教えることはもう何もない」
「しかしです」と弟子の一人が言った。「思えば、先生の指導を仰ぐこと10余年の歳月を閲しましたが、先生の絵に宿る色気がどうしても表現できません。ですからその匠の技の奥義を是非とも御伝授願いたいのです」
「どうしてもか?」
「はい」と弟子一同。
「なら、○○街の○○店に電話してわしが大好きなマミちゃんを予約指名して○○店へ行き、彼女の匠の技を受け、5分持ち堪えたなら伝授してやってもよい」
弟子一同、隣の者と顔を見合わせ、もごもご言う内、一人の弟子が言った。
「先生御自身ならぬマミちゃんの匠の技とは一体何でございましょう?」
「師匠に言わせる気か!聞くだけ野暮だ!兎に角、伝授して欲しくば、マミちゃんの匠の技を受けることじゃ。さすれば、わしがマミちゃんに直接聞いて確かめ、持ち堪えた者に伝授して遣わそう。じゃからマミちゃんとプレイする前にわしの弟子の何某と名乗らなければいかんぞ。でなければ、確かめようがないからな。分かったか」
「はい、分かりました」と弟子一同。
「では10日後、マミちゃんに確かめるからそれまでにお前らは残らずマミちゃんとプレイするのじゃ。分かったな」
「はい、分かりました」と判で押したように弟子一同。
「うむ。さてとわしはマミちゃんと打ち合わせ旁おしゃべりでもしようかの」
浮世絵師はスマホを袂落としから取り出すと、腰を上げ、座敷を後にした。
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