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「そんなに笑わなくても……」
「いや、違うの。こんな風に取り乱してる紗羅って珍しいから嬉しいの」
「……そうだっけ」
いつもは極力人に関わらないように生きているから、誰かにペースを乱されることなんて滅多にない。
チラッと彼をみるとニッコリ笑ってあたしに向かってピースサインをしている。
「ほら、たった5分だけでいいから、RYUくんの彼女やってきて」
「う、うん」
ドキドキしながらRYUくんの隣へと歩いていく。
「どう?緊張解けた?」
「うん、まぁ解けたかな」
さっきまで緊張でガチガチだった体はいつの間にか普通に動いている。
これはきっと彼のおかげなんだろう。
「まぁ、ありがとう」
「ふは、お礼言っちゃうんだ?あんなにヒーヒー言ってたのに」
「辛いのは嫌いだけど、緊張解けたのはあなたのおかげだから」
「ふーん。素直でいいね」
ポンっとあたしの頭に手を乗せた。
──カシャ
「いいねーいまの!」
「へ!?撮られたんですか?!」
「なーに言ってんの。俺の隣に来た時点で撮影なんて始まってるよ」
「……うぅ」
そんなの聞いてないし、絶対に変な顔してたし。
「俺が紗羅ちゃんのことたっくさん笑わせてあげるよ」
「……え?」
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