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スノーボード
3、2、1、go。
滑り出す前に、必ず頭の中で出てくるこのカウント。
滑りモードにスイッチを入れ替えるためなのか、気がついた時にはこのカウントが今では定着した。
というか、こうしないとスイッチが入らない。
スキーヤーはリフトを降りてそのままスーっと滑っていく。
ボーダーは、立ったまま板を付けてサーっと行く人もいれば、雪の上によいしょと座ってちょっとゆっくりつける人もいる。
ボーダーって面倒臭いなぁと思ったこの作業が、いまでは好き。
バインディング(ボードと板を固定するための器具)とブーツをつけながら、足の疲れ具合がどんなもんか、あとどれ位滑れるかなー、次はどのコースで行こうかなーとか考えながら、ヘルメットつけ直して、ゴーグル装着して。
(*アメリカではほぼみんなボーダーがヘルメットを着用してます)
いきなり急な傾斜からは滑らない。
選択肢があれば、至って緩やかな傾斜からスタートして、3、2、1、go。
何にも考えないで、無で滑る。
それが、もう、大好きなんです。
とは言うものの、ずっと毎年冬にゲレンデに行っていたわけではありません。
学生時代に初めてスノボをやって、社会人になってかなり間が空きました。
そして、数年前に再びスタート。
最初はもちろん滑り方もさっぱり忘れてたものの、何回かやってくうちに大丈夫になったかな。
一番近いゲレンデまで1時間半車で飛ばせば行ける。
年末の冬は、10回。
うち半分以上、実はひとりスノボ。
なんて寂しい奴なんだとひかれそうですが(汗)、ひとりスノボ、とっても楽しいんです。
朝から夕方前には帰ってくるコースで、100km/hでフリーウェイを飛ばして、街から山に向かう。
(制限速度内です。山が近くなってくるともっと早い)
運転も全然苦じゃなくて、広瀬香美のゲレンデメドレーとか聴きながら、歌いながら、気分あげて。
着替える時間も惜しいから、ほぼウェアやプロテクターも装備済みで、あとはブーツ、ジャケット、ヘルメットを装着するのみの状態。
スノボができるなら、全てが私にとって大好きな時間に変わる。
ひたすら山の上に行っては滑る、その繰り返し。
お昼ごはん休憩はなし。
板をつけてる間に、ウェアのポケットに忍ばせているシリアルバーを食べて、ウィダーインゼリーを飲んでお終い。
水も小さいのをポケットに入れて、ロッカーにも戻らない。
とりあえず、時間の許す限り、ひたすら滑る、無になって。
音楽も聴かずに、ただ、滑るだけ。
それが私の毎回のひとりスノボ。
帰りは疲れとか睡魔に襲われないように、エナジードリンクを飲んで帰る。
何にもブレずに、いつもこのやり方。
ポケットにシリアルバーと水。
あと、のど飴、目薬、リップスティック、幾らかのお金、携帯。
帰りの運転用に車にエナジードリンク。
雪の上を滑ってる感覚、それだけで楽しいんです。
それだけで、満たされる。
あんなに気持ちいい感覚ってない。
よく、トリックしたいなーとか、ジャンプも面白そうだなーと思うんですが、そこには行かない。
というのも、1度調子に乗ってジャンプにチャレンジしてたことがあるんですが、転倒して打ち所が悪かったのか、頭の上に本当にひよこがピヨピヨして。
幸いひとりじゃなかったから帰りは運転せずに済んだものの、ちょっと恐怖を感じました。
長年スノボで色々激しく滑ってたという元ボーダーの美容師さん。
友達が頭を打って、記憶ができなくなってしまい、それを機に止めたと。
自分の仕事である手が使えなくなってしまう怪我をしたら怖いと思ったからだそう。
だから、マイルールを決めるって、とても大事なことなんじゃないかなと。
私のマイルール、それはもう「安全第一」。
絶対にできるってゆう自信がないことはしない。
それに限ります。
ジャンプをするのも、入りの時点でビビっちゃえば、そのビビリがある時点でフォームだって決まらない。
結果、失敗する。
絶対できるっていう自信、すごく大事。
スリルが好きな人は多分、あともうちょっと先に行けばどうなるのか、そこに興味が強いタイプなんじゃないかなぁと。(私も含め)
先に行ってそれができれば、今度は次のやつ、みたいな。
だから、私は敢えてそれを自制する。
愛すべき存在がいるというのは、大きいですね。
(という終わり方。ちゃんちゃんw)
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