日常

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日常

私は不思議な夢を見る。 この夢を見るようになったのはいつ頃からだろうか。 そんなことを考えながらケータイのアラームを止めた。 また朝だ。 まだ寝ていたい目をこすりながら洗面台へ行き、顔を洗う。 家を出る時間は刻々と迫っているのに、焦りはない。 それでも時間通りに準備を終え、いつもの電車に乗る。 通勤ラッシュの人混みの中、イヤフォンから流れる音楽を何となく聴き、降りる駅まで車内広告をボーっと見つめる。 駅からバスに乗り換え、市内の大きな病院へ向かう。 私はここの病院の窓口で医療事務として働いて四年になる。昔から医療に携わる仕事がしたかった私は、なりたかった夢をかなえることはできなかったが、この仕事につけて満足している。 今日も定時に仕事を終え、電車に乗って帰る。 帰りの電車の方が落ち着いていて、好きだ。 帰宅すると夕食のいい匂いがする。 母は私が帰ってきたのを合図に、テーブルにご飯を出し始めた。 少し経って、父も帰ってきた。 三人でテレビを見ながら夕食を食べる。今日電車で見かけた変な人の話や、コンビニの外国人店員のおかしな日本語の話など、今日あったエピソードを話して盛り上がった。 私には三つ歳の離れた弟がいる。 家から通える大学に進学し、今年で三年生だ。 ずっと続けていたサッカーを大学でも続け、練習で帰りが遅くなったり、一人暮らしの友達の家に泊まったりして、夕食を一緒に食べる機会が減った。 姉としてさみしさはあるが、弟が充実した生活が送れていることはなにより嬉しかった。 十時くらいになると家族はそれぞれ部屋に戻って寝るなり自分の時間を過ごしたりする。 私も部屋に戻り、十二時前にはベッドに入る。 またあの夢を見るのかな、と少しの期待を込めて目をつぶった。
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