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俺様現る
時刻朝の4時、季節は割と早めに明るくなる時期。朝早くから仕込み作業のため新川心優はシャッターの降りた手作り弁当高橋の店舗に入っていった。
ここは東京都のオフィス街で有名な七本木である。色々な会社がビルを建設し、ブランド品が立ち並ぶ商業施設もある。至る所にカフェやバーあり、皆お洒落なスーツで出勤している人も多い。そんな街の一角にこの街には似合わない外観でThe商店街の弁当屋といったようなお店がひとつあるのだ。
そこには見た目からは分からないが80歳後半になるおばあさんとおじいさんがおり、昔から街の周囲の人や会社の人達にも、お昼間はかなりの行列がなる皆に愛されているお店であった。
心優はシャッター横にある郵便受けを見ると一通の封筒が落ちていることに気づく。拾い上げるとI&Kホールディングス 七本木ビル 本社 社長 一条真登 と書いてある。I&Kと言うとハイクオリティホテルを全国から海外までも展開しており、今は老人ホームや高齢者施設等の介入をしている上昇大手の会社である。
心優は何故か胸騒ぎを感じる
あんなに大きな会社から手紙が来ることもない、今まで一切連絡も来ることはなかった。気になりつつも!仕込みが間に合わないため、手紙を棚の上に置き仕込みにかかる。
弁当屋を経営するのは心優の母方の祖父母であり、祖父母が若い時から続いている店であった。高齢になるため弁当箱に詰める作業はできるが長時間立つような仕込みは体力的に難しく心優が主に行っている。
「はぁー疲れた!!
毎日のことだけど1人はキツい…メニュー見直せるか
相談してみようかな。
でも仕込みや料理作るのも何故か飽きることはないんだよね〜。」
慣れた手作業で鼻歌を歌いながら作り上げる。
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