外堀埋める夫たち

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自分ばかり心踊らせるのは嫌で。ニニギはこんな意地悪をする。 「ユキは私という夫がいながら、コゴマ(別の男)を頼るんだ」 「そっ、それは……っ」 言葉を詰まらせ、頭を垂れるユキ。 「ご、ごめん……なさい……」 「…………」 ーーおかしい。意地悪したのに、何故こうもあっさり反撃されるんだ。 その落ち込んだ様子は小動物のようで。いとも簡単に形勢は逆転する。 「悪いと思うんなら、新婚旅行行くよね?」 「………………はい」 言質(げんち)を取り、ニニギは遂にユキの首を縦に振らせたのだった。 ーーサコマ(あっち)はどうかな? ユキの死角で握りこぶしを作りながら、ニニギはサコマ(同志)のことを考える。
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