27人が本棚に入れています
本棚に追加
/144ページ
自分ばかり心踊らせるのは嫌で。ニニギはこんな意地悪をする。
「ユキは私という夫がいながら、コゴマを頼るんだ」
「そっ、それは……っ」
言葉を詰まらせ、頭を垂れるユキ。
「ご、ごめん……なさい……」
「…………」
ーーおかしい。意地悪したのに、何故こうもあっさり反撃されるんだ。
その落ち込んだ様子は小動物のようで。いとも簡単に形勢は逆転する。
「悪いと思うんなら、新婚旅行行くよね?」
「………………はい」
言質を取り、ニニギは遂にユキの首を縦に振らせたのだった。
ーーサコマはどうかな?
ユキの死角で握りこぶしを作りながら、ニニギはサコマのことを考える。
最初のコメントを投稿しよう!