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「行かないの?ユキ?新婚旅行だよ?」
「だって、長い間二人とも社出たらまずいですよ」
頬をひくつかせながら矢継ぎ早に問いかけるニニギを見ながら、ユキは普通に箸を進める。
「そんなの、どうにでもできるよっ。行きたいの?行きたくないの?」
「僕はーー」
「ごめんくださーーい」
「はいですっ」
遠くから声が聞こえ、ユキは食事の手を止め玄関へ向かった。
「…………ユキの分からず屋」
一人取り残されたニニギはというとーー。行き場のない力を、持っていた箸に込め粉々にし。
どうやってユキを行かせる気にさせるかの算段を脳内で張り巡らした。
ーーユキともっといちゃいちゃしたい!
真面目な顔でニニギは真剣に悩んでいた。
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