0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
欲望が、また私を誘惑してくる。
欲望は悪魔のようだ。
優しい方へ、楽な方へ私を導いているようでいて、実はその先には破滅が待っている。
駄目、絶対に悪魔に屈するわけにはいかない。
私はよく、想像力が豊かな子だね、と言われる。
今こそ、その本領を発揮すべきときなのではないか。
私は、難しいことをこねくり回して考えるのが大好きだ。
例えば、地球。
地球は丸いというけれど、ならば何故私たちは転がらずに生活できているのか。
重力がどうのとかいうけれど、そんなに凄いものなのか。
あるときいきなり、この教室にいる皆が転がり始めたらどうだろう。
それはきっと新たな時代の始まりになる大事件だ。
でも頼むから、今は止めてほしい。
そんな衝撃に、今の私は耐えられそうにない。
もっと穏やかなことを考えよう。
私は窓の外で儚げに散っている桜を見た。
最初のコメントを投稿しよう!