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「そう。大きいのが欲しいの。お母さんにプレゼントしたい」
男の子は確かに存在しているし会話もしている。ということは星を採りに宇宙へ出て、加茂町に不時着してしまったのかと郁は推理した。この子は宇宙人。そう考えれば辻褄が合う。そして意を決して話しかけた。
「あれはね?私たちからは遠くて取りに行けないんだよ」
「でも、冬になると取れる場所にあるんでしょ?本で読んだよ?木の一番上。僕、見つけたい。お姉ちゃん達どこにあるか知らない?」
二人は顔を見合わせて、紗織は言葉に詰まってしまった。
「あれは、星だけど・・・そうなんだけど・・・」
すると男の子は、急に大きな声で駄々をこねた。
「僕はあれがいい!あれが欲しいの!一番大きいの!」
紗織は考えて返事をした。
「分かった。探しに行こう」
「え?ちょっとお姉ちゃん!今は夏だよ?クリスマス用品なんてどこに・・・」
「リサイクルショップにならあるかもしれない!郁、お母さんにちょっと二人で買い物行ってくるって連絡しておいて」
「なるほど!分かった」
郁もこの不思議な状況に慣れたようだ。三人はこの町で一番大きなリサイクルショップの近くでバスを降りた。
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