赤き龍虎、第2幕へ…

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赤き龍虎、第2幕へ…

その1 ケイコ 「テツヤー!」 「よう、おけい…」 今日は私がテツヤをチョコパに誘った 今回、ケンカのコーチをしてくれたお礼ってことでね ... 「遅くなったけど、その節はありがとうな。あの本郷麻衣と引き分けに持ち込めたの、お前のおかげだよ。テツヤの指導を受けてなかったら、あの結果はありえなかったわ。きっと、コテンパンにやられてた…」 「ハハハ…、でも、それってお前に才能があったからだよ。この前レクチャーした3つ、要は全部兼備えてたもんな、お前」 アハハ…、思いだすわ、火の玉川原での集中特訓… ... 「…でもよう、とうとう南玉入っちゃったか、おけいは…。しかもこんな大変な時に…」 テツヤ、なんか苦笑いしながら、私のこと気にかけてくれてるわ コイツ、私が南玉連合に加入するの、絶対反対って言ってたからなあ 理由は私の性格じゃあ手抜きができないから、何でも背負いこんじゃって、上に立つようになったら苦労するからって… ああ、テツヤ、いきなりそうなりそうだよ、私…(苦笑) ... 「お前のことは、矢吹先輩も気にしてた。あの人は総長補佐の立場でこの時期に抜けたってことで、責任感じてるし、おけいには申し訳ないと思ってるだろうよ。でもなあ…、なんともなあ」 テツヤは、矢吹さんが南玉連合を辞めた真意を知ってるからね 矢吹さんは、自分の学校を守ることができなかったことで、南玉連合という組織と自分との間にぽっかり穴が開いていたことに気付いたんじゃないのかな 矢吹さんと初めて会った時、この喫茶店でテツヤを隣にして、女子部員一人の陸上部加入を決意した大月さんにエールを送っていた その時に、自分が南玉連合に加わっている意義を語ってくれたんだ… あの言葉、凄く胸に響いたんだよね ああ、この人がいる限り、紅子さんの赤塗り理念は南玉連合で継承されていくと… だから、矢吹さんが今回の襲撃での南玉連合の対応を眼前にして、今まで信じて守り続けてきたものに、自信が持てなくなったんだろう 私にはその気持ちがよく理解できる ... 「…ああ、そうだ、先輩からはお前に伝えて欲しいって言われてたことがあったわ」 テツヤは思い出したように言いだしたけど、ちょっと違うだろ、お前(苦笑) 「…南玉抜けることを合田さんに話した際、二人である合意を交わしたらしいんだ。それをね…」 南玉のツートップ間で、矢吹さんが抜ける際にそんなやり取りがあったのか… 一体、何なのかな、それって…
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