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裏通りの荒れた石畳の上にその巨体が声も無く崩れ落ちるとギャラリーはわっと活気づいた。
俺は鉄柵の上に置いてあった砂時計を取り上げる。5分計のそれは半分より減っていた。まぁ3分強ってところだろう。
「すげぇ、やっぱファイブミニすげぇ!」
「ファーイブミニッ!ファーイビミニッ!」
俺の通り名が連呼される。
5minits、5分以内に相手を倒す事からそれが訛って付いたニックネーム。俺はストリートファイターだ。
お互いが出し合ったファイトマネーをジャッジから、自分に掛けた分をブックメーカーの元締めから受け取ると警官が来る前にその場を後にする。
こうして砂時計が落ちきるまでに対戦相手をノックアウトするのが俺の流儀だ。それだけの修練を積んで来たし実戦経験もある。裏付けを伴った自信ってわけだ。
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