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今日の夕食にでもあり付こうとバルに立ち寄り注文を告げた時だ。
「あんたはあのファイブミニじゃねぇか!へぇ、俺と勝負してくれよ」
酒で気が大きくなったガキが挑発してきた。けど俺は稼いだばかりだ、格下に乗ってやる必要は無い。
「ああ? 無視か? おい、この俺が怖いのか? さては俺が北斗聖拳の使い手と知って恐れをなしたな? 」
乗ってやれよ、相手してやれよと周りがはやし立てる。当然放っておく。俺は食事がしたいんだ。
やって来たステーキプレートにフォークを突き立てようとした時、それが派手に床に転がった。
「なぁ、相手してくれよ。ファイブミニさんよぉ」
俺はカウンターの上に砂時計を置いた。
「こいつが止まっても立っていられたらお前の勝ちだ」
「面白れぇ! 」
相手は体を沈ませた。俺の視界から消えて死角を狙おうと言うのだろう。
すいと顎を引くとその辺りアッパーカットが飛んで来るが、俺はそれが伸び切る前に指先を添えてちょいと押してやる。すればほら、自分の顔におかえりなさいだ。
折角腕が曲がっているのだからついでに関節を固めてひっくり返してやった。
ホクトなんたらがどうとか言ってたがずぶのド素人じゃないか。
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