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「そもそも、流れ星に願い事する〜って、なんかちゃんとした理由があるとか、ないとか」
「そうそう。美咲が言っているのはたぶん、流れ星が流れるその一瞬でさえも想い続けているからこそ、その想いの強さで夢が叶うって話でしょ。」
私はいつ見たのか忘れたが、頭の片隅にあった記憶を探りながら、思い出した言葉を口に出した。
「あとは、神様が見てるから〜とかって話もあったなぁ。あと、海外の人は、流れ星に向かってマネー、マネー、マネーっていうらしいよ」
「なにそれ、いえそう」
私が言った言葉が面白かったのか、美咲はマネー、マネー、マネー!と三度声に出した。
「ていうか、めっちゃ知ってるね。早織」
「なんでだろ……」
自分でもどうしてそんなに流れ星のことについて知っていたのかわからなかった。ぼーっと空を眺めながら考えてみるが、思い出すことはなかった。
「色々と勉強してた時に、知ったのかも」
「そっか。それはそれは一石二鳥ってやつだね」
「一石二鳥? なにいってるの?」
「え? だって勉強しながら、うんちくも身についた。一石二鳥でしょう?」
「う〜ん。そうなのかなぁ……」
おぼろげになってきた頭で必死に一石二鳥という言葉の意味を考えるがはっきりとした意味が出てこない。でも、それでいいかと勝手に頭が判断して、私は持っていたお酒を飲んだ。
「でも、私は違うと思うなぁ〜」
いつの間にか持っていたお酒が先ほどと違っている美咲が空を見上げながら言った。突然何を言い出したのか不思議に私は思った。
「違うってなにが?」
「流れ星にお願いする意味だよ」
「違うも何も、そもそもあれにはっきりとした意味はないと思うけど」
「でも、何かがあってあぁいう言い伝え的なものがある。違う?」
「まぁ、火の無い所に煙が……。とかなんとかいうし」
美咲は「そうそう!」と言いながら、お酒をくいっと飲んだ。
「私が思うに、流れ星に願い事を言うと夢が叶うっていう本当の理由はね」
「本当の理由は……?」
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