タクシー

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タクシー

 墓地の前でタクシーを止める。「××駅まで」返事がない。「聞いてる?」車は動かない。「ねえ」肩に触れた途端、運転手は砂になって崩れ落ちる。残ったのはゴムの焼ける臭い。墓地からは獣の咆哮。ドアが開かない。何かが近づく気配。窓の外は降るような星空。手を伸ばしても届かず。
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