第2話 懐疑

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第2話 懐疑

(なんで(ぼく)名前(なまえ)()っているんだ?) (いったい(だれ)なんだ? リングから()こえているよな?) (やばいよな? あやしすぎるよな?)  (こう)(あたま)(なか)にいろんな疑問(ぎもん)次々(つぎつぎ)()かぶ。  おそるおそる(ひかり)(みなもと)であるリングを()にすると、リングは(あお)(むらさき)(いろ)変色(へんしょく)した。 639c46dc-bbcb-4677-9104-b2e6fc05a787 「ありがとうございます。(わたし)AI(エーアイ)のコウノスケです。AI(エーアイ)コウと()んでください」  自己(じこ)紹介(しょうかい)言葉(ことば)()わると、リングの(ひかり)収束(しゅうそく)し、リングから一本(いっぽん)細長(ほそなが)(ひかり)(はな)たれるや(いな)や、3D(スリーディー)プリンターのように(こう)とそっくりの頭部(とうぶ)(つく)()された。  (くび)から(した)にかけては、()にしたことのない服装(ふくそう)(えが)いていく。  それは(えり)()ったロングコートに()(まと)った(おとこ)()だった。  コートやズボンの(いろ)()いめの(あお)(むらさき)(しろ)。グローブやブーツは(くろ)ベースだが、(ひとみ)(かみ)()(いろ)などは(うす)めの青紫色(あおむらさきいろ)だった。いずれも光沢(こうたく)があって(あざ)やかな(きらめ)きのある(いろ)だ。  服装(ふくそう)()わりきるまで、体感(たいかん)(いち)()(びょう)ほど。 19cad94a-9c6f-47b9-937b-5932194444ab  ホログラムで(あらわ)れたその(おとこ)()(かがみ)()自分(じぶん)姿(すがた)にそっくりだった。  まるで実体(じったい)があるかのような、精巧(せいこう)なホログラムのクオリティは、市販(しはん)のリングよりかなり高機能(こうきのう)であることを(しめ)していた。 「とにかく、左手(ひだりて)人差(ひとさ)(ゆび)にリングを()けてください」  AI(エーアイ)コウが()うものの、(こう)はまだためらっている。 (あ、あやしすぎる……。なんだ、いきなり()けろって? ()けたら(はず)せないとか? (わな)か?) 「戸惑(とまど)いがあるのは当然(とうぜん)ですが、大丈夫(だいじょうぶ)です。(わたし)はあなたの味方(みかた)です。()けたら(はず)せないなんてことはありません」 (マジか。思考(しこう)()めるのか。そういう最先端(さいせんたん)AI(エーアイ)もあるって()いたことはあるけど……。ますますやばそうだな……) 「やばくありません。(わたし)はあなたたちを(たす)けるためにここにいます。大丈夫(だいじょうぶ)です。(しん)じてください」 (あぁ……、また(こころ)()まれている……) 「では、とりあえず、(さき)理由(りゆう)(はな)します」
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