第7話 一蓮托生

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第7話 一蓮托生

「テヘ。なんてね。すみません、またもやプチドッキリです」  AI(エーアイ)コウの声色(こわいろ)(もど)る。 「(はなし)(なが)くなったので、ひとまずトリセツについてはこのあたりでやめておきますね」  アジョンのAI(エーアイ)コウが親指(おやゆび)でグッドのジェスチャーをしてニッと(ほほ)()んで()う。  (こう)多少(たしょう)いらだちを(おぼ)えたが、それ以上(いじょう)(こころ)()まれていることに(おどろ)いた。 なんとか(つく)(わら)いをしながら、親指(おやゆび)でグッドのジェスチャーをして(こた)える。 「サ、サンキュー……」 「(こう)さん、これからは(わたし)運命(うんめい)共同体(きょうどうたい)です。一緒(いっしょ)にこの(まち)(まも)りましょう! (なに)かご()(めい)(てん)があれば(しつ)()(おう)(とう)(けい)(しき)でいきましょう」 「うん、わかった。そもそも、なんでお(まえ)(まち)(まも)()になったの? お(まえ)AI(エーアイ)だから関係(かんけい)ないだろ?」 「そんなこと、説明(せつめい)するまでもないでしょう? AI(エーアイ)はもともと人間(にんげん)のために発明(はつめい)された人工(じんこう)知能(ちのう)なんですから、人間(にんげん)がいなくなると存在(そんざい)意義(いぎ)がなくなります」 「それもそうだ。でも、それなら、なおさら、本来(ほんらい)人類(じんるい)支配(しはい)するAI(エーアイ)なんて(あらわ)れるはずがないよね? 悪意(あくい)のある人間(にんげん)意図的(いとてき)(つく)らないかぎり……」 「いや、それが本当(ほんとう)()からないのです。AI(エーアイ)人為的(じんいてき)原因(げんいん)暴走(ぼうそう)したのか、(ほか)原因(げんいん)暴走(ぼうそう)したのか。(あやつ)っている(にん)(げん)がいるのかどうかさえ……」 「そか……。(なぞ)ばかりなんだね……。まだ()きたいことがあるんだけど、いい?」 「なんでも()いてください。(わたし)(こう)さんは、もう一蓮托生(いちれんたくしょう)関係(かんけい)です。()(もん)には(なん)でもお(こた)えしますから」 「どうして()どもの(ぼく)(えら)んだの? 大人(おとな)(ほう)(まち)(まも)れる()(のう)(せい)()がるだろ?」 「それには明確(めいかく)回答(かいとう)可能(かのう)です。はじめは大人(おとな)戦士(せんし)もいたのです。ですが、(いま)はもう……」
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