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(あかーーーん!?!)
この時たまたま前に立っていた乗客の肘が腹部にヒットしてしまい腸内が活動再開してしまったのだ。
冷や汗が伝う中電車は発車した。
(ここで出したら死ぬ、社会的に死ぬ!)
耐え忍ぶ少年は駅到着を待ちわびる。学校まであと5分。
「○○○~○○○。忘れ物にご注意ください。」
着いた!!
プシュー
少年は駆け出した。人混みを抜け、渋滞のエスカレーターを避け階段をダッシュする。
ここで少年はトイレではなく改札を通り抜ける。
ここでも賭けに出たのだ。この時間だと高確率で駅のトイレは使用されている。なら、最初から捨てて学校を目指すことにした。
裏道を通り信号の少ない道を行く。日頃の行いからか一つも止まることなく進めた。
(よし!!)
正門を抜けるといち早く下駄箱に駆け込み靴を履き変えて近場のトイレに向かう。
何とか持ちこたえている。頑張れケツ筋!負けるなケツ筋!!
少年の思いに答えるケツ筋。トイレに駆け込むと手前の個室に入り便器に座る。
勝った…俺は勝ったんだ。
幾度となく訪れた試練に耐え少年は解放された。
少年は優越感に浸りながらトイレットペーパーを巻き取る。
そんな時だった…
キーンコーンカーンコーン。
チャイムがなった。
「は?」
何で今チャイムがなる??
おもむろにスマホを取り出し時間を確認した。
9時
試験が始まる時間だった。
「なぜ?・・・あ、」
ここで気づいた。己が犯した最大の間違いに。
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